
保育士は、子どもの命を預かるという責任ある仕事で、子どもたちの発達を考えて教育もおこなう、とても重要な仕事なのに、給料が低い。
保育士を辞めようと考えている人の中には「給料さえもう少し高ければ、保育士を続けたい!」と思っている人も多いはず!
今回は「なぜ保育士の給料は低いのか」「なぜ保育士の給料は上がっていかないのか」という2つの疑問にお答えしたいと思います。
保育士の給料が安い+上がらない理由
では、なぜ保育士の給料は安い+上がらないのでしょうか?そこには、保育園ならではの「仕組み」が関係しています。
保育園の収入源
あなたは「保育園の収入源」について考えたことはあるでしょうか?
一般的な会社なら、商品をたくさん売ったり、より多くの人にサービスを提供したりすれば、収入は上がりますよね。
例えば、化粧品会社であれば化粧品が多く売れれば儲かるし、遊園地であれば来園客数が増えたりお土産がたくさん売れれば儲かります。
たくさん儲かればそのお金(営業利益分)からを働いている人のお給料(人件費)にもまわせますね。
保育園ではどうかというと、保育園の収入源は主に2つ。
- 国や市町村からの補助金
- 保護者からの保育料
さらに「補助金」は、子どもの人数などの保育園の規模で金額が決まります。「保育料」も保護者の収入に合わせて市町村ごとに決められています。
つまり、保育園ができて子どもの定員が決まって時点で、その保育園の収入が決まってしまうのです。
毎月決まった収入の中から保育士の給料や保育材料費、固定費を支払います。
いくら保育士の給料を上げようと思っても、保育園の収入が増えないのであれば、上げたくても上げられません。子どもたちへのサービスを削るわけにもいかず、園側も困っているようです。
保育士の配置基準
保育士1人あたり子ども◯人まで保育できる、といういわゆる「保育士の配置基準」も、保育士の給料を一定にしている理由ですね。
遊園地のようにいくら来園する人が増えても、保育園ではその増えた子どもの分、保育士を増やす必要があります。
1歳児の場合の配置基準は「保育士1人あたり3人まで」と定められています。
子どもが増えれば、保育園がもらえる補助金は増えます。しかし、それに合わせて保育士の数も増えることになるので、結局は保育士がもらえるお給料は同じなのです。
つまり、子どもの人数に合わせてもらえる補助金というのは、国からの「保育士さんにはこれくらいのお給料で働いてもらってくださいね」というメッセージでもあるのです。
【2017年】保育士の給料が引き上げられる?
認可保育所は、運営費のほとんどを補助金(つまり税金)に頼っている社会福祉施設です。お金を稼いだり儲ける場所ではないという前提があります。
ということはですよ?逆に考えれば、国からの補助金が増えれば保育士の給料も上がるってことですよね。
待機児童が問題となっている昨今、国も本格的に動き始めているようです。それを裏付ける「朗報」があります。
それが、こちらの厚生労働省が発表している保育士等の処遇改善案です。

保育士等の処遇改善案(厚生労働省)
文字がいっぱい書いてありますが、ざっくりいうとこんな感じ。
- 「副主任保育士」と「専門リーダー」という新しい役職を設けて、月給4万円上げましょう!
- 「職務分野別リーダー」という新しい役職を設けて、月給5千円上げましょう!
という2つが書いてあります。
新しい役職(ポジション)を設けて保育士の給料が上がる仕組みにしようといった改善案。
それぞれ細かい条件はあるようですが、国は平成29年度(2017年)予算でこの制度を実施しようとしているようです。
国や政府も「保育士の給料改善」にやっと本腰入れてくれるようになったんですね。この新制度のおかげで、保育士のあなたの給料が今後上がるかもしれません。政府や厚生労働省の今後の動きに要チェックです!!
思い切って他業種に転職して給料アップ
とはいえ、『行政の対応なんか待ってられない!いますぐ給料アップや良い待遇の職場で働きたい!』って人も、きっと少なくないはず。
そんな人は、もう思いきって環境を変えて他業種に転職した方が、手っとり早い選択です。
実際に、保育士から他業種に転職する人は山のようにいて、周りの保育士さんや友人の中にも、そのような経験している人もいるかと思います。
他業種への転職経験がなくて不安な人や、転職活動の方法がわからないって人は、大手転職エージェントに登録してみることをおすすめします。
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