保育士不足のこのご時世、いろんな理由で保育の現場から離れていた保育士さんが現場に戻ろうと思った時、探せば保育の仕事は、きっとすぐに見つかることでしょう。
でも、潜在保育士が全国に何万人といることからわかるように、資格を持っていながら保育の現場で働いていない保育士さんが、とっても多いですよね、、、。
その中には、「しばらく現場から離れていたけど、やっぱり保育園でまた働きたい!」というブランク有りの保育士さんも多いと思います。
復帰したい保育士さんが、復帰に思い切れないのにはいくつかの「不安要素」があるからだと思います。
現場に復帰したい保育士さんは、一体どんなことに不安を感じているのでしょうか?
もくじ
現場に復帰したい保育士が感じる不安

身体的な体力不足の心配
20代前半で就職し、20代中盤もしくは後半で結婚・出産を経験して、子育てが少し落ち着いた30代前半で職場復帰。
復帰するストーリーとしては、保育士さんに多いパターンだと思います。
そんな保育士さんの心配事は「体力的に業務についていけるだろうか」というもの。
『20代前半の時は、まだ若くて元気があったからやっていけたけど、あれから何年もブランクがあって年も重ねているから、今現場に戻っても行事の忙しさや子どもの活発さについていけないんじゃないか、、、。』
このような不安を抱えて、復帰をためらってしまう保育士さんも少なくないのではないでしょうか?
でも大丈夫です。たとえブランクがあっても、年を重ねていても、そんな「あなただからこそできる保育」を子どもたちに提供してあげれば良いんです。
外で全力で走り回って鬼ごっこするだけが、保育ではありません。今のあなただができることを、子どもたちのために考えて実践してあげましょう。
忘れてしまった保育知識や技術の心配
人間って忘れっぽい生き物です。普段使わないことって、どうしても忘れてしまいます。
保育の知識や技術についても同じです。
特によくある不安は、「手遊びや子どもの歌ってどんなのがあったっけ?」「製作や造形ってどんなことしてたっけ?」「行事の準備や園の流れにちゃんとついていける?」などなど。
しばらく現場から離れていると、復帰した時にちゃんと働けるかどうか不安になりがち。
でも、よくよく考えてみれば保育の基礎基本、手遊びや童謡は何年経っても変わりません。復帰した保育士さんがやることは「新しいことを覚える」作業ではなく、「思い出す」作業になります。
新しいことを覚えるよりも「思い出す」ことなら、なんとかできそうじゃありませんか?
それに技術というのは、久しぶりに乗る自転車みたいなもので、意外と体が覚えていたりして、いざ子どもを前にすれば自然と思い出すのではないでしょうか。
年下の先輩保育士との関係
ブランクのある保育士が保育園に復帰すると、必ずといっていいほど関わることになるのが「年下の先輩保育士」です。
年齢は年下だけど、その園での経験が長かったり、場合によっては保育経験もその年下保育士の方が長かったりします。
これが現場復帰を考える保育士さんが、一番壁として感じることかもしれません。
しかし、結論から先に言えば、これはもうしょうがないことです。
日本全国どこでも、保育園や幼稚園というのは、20代の若い保育士で回っている面があります。あなた自身がそうだったように。
そのことにこだわり過ぎないようにしましょう。
もし気になるのであれば、具体的にどんなことが気になるのか考えてみてはいかがでしょうか。
▼余計なプライドを持たないことを心がける
上下関係で年下の下になりたくないといった自分の「変なプライド」を、意外と優先していることが多かったりします。
基本的に、日本人は『年齢や経験年数で判断し過ぎる』ところがあります。
その園で経験年数が長いから偉いわけじゃないですし、あなたの年齢が上だからって偉いわけじゃない。
ただ、その園のやり方を自分より多く知っている人として、年齢関係なく分からないことを素直に聞くことができれば、仕事もしやすくなると思います
もちろん相手にもプライドがあるので、立てる所は立ててあげましょう。そこは、年上であるあなたの仕事です。
また、年下の保育士も「年上の後輩」とどう関わって良いか手探りしていることが多いです。
あなたが逆の立場だったらどんな「年上の後輩」となら仲良くしようと思うでしょうか?そんな人になれると良いですね。
保育士へ復職組の強みとは?

さて、ここまでは保育の現場に復帰するときに感じる不安要素を挙げてきましたが、ここからは「復帰組だからこそ持っている強み」についてご紹介していきます。
新卒や若い保育士との違いを意識しておくこともとても大切です。
他業界から保育士へ転職
保育士の資格は取ったけど、新卒での就職は保育業界ではなく他の業界にして、別のキャリアを積んでいる人もいます。
その後いろいろな環境の変化もあって、保育士資格を活かしてやっぱり保育の仕事を始めたい人もいるんじゃないでしょうか。
また、一度保育の仕事はしたけど、何かしらの理由で辞めて一般企業等で働いたあとで、数年後に保育の仕事に戻るという場合もあります。
この場合の強みは、他の業界の仕事を経験している分、保育業界しか知らない保育士よりも何倍も視野が広くなっていることです。
一般企業で働く大変なところや良い点を知っていれば、それを保育園の事務仕事などに活かして、より効率的に業務改善できる可能性が大いにあります。
一般企業で働く保護者さんの気持ちにも共感しやすくなるので、保育業界以外の経験は隠そうとせずに「あれ大変ですよね」「私も◯◯で働いていた時そうでしたよ〜」と話のネタにしてみましょう。
保育業界しか知らない若い保育士さんにとっても、きっと良い刺激になると思います。
産休明けから保育士へ復帰
育休明けから復帰する保育士さんや、子育てがひと段落してから復帰する保育士さんも多いですね。
その場合の強みは、なんといっても「出産と育児を経験」していることです。これは若い保育士との違いで大きい所です。
あなた自身も20代前半に働いていた時に、ベテラン保育士や先輩保育士が「うちの子もそうだったからお母さんそれ心配ないよ〜」とか、「うちの子こうだったからお母さんそれは辞めた方がいいよー」って話しているのを聞いたことはありませんか?
子育てを実体験として話すことができるのは、出産や育児を経験している保育士さんの強みです。保護者からも共感を得られやすいでしょう。
他園でのキャリアを持って復帰
元々保育の現場で働いていたキャリアがある中、休息期間や結婚や引越しなどプライベートな理由によって退職し、一定期間が空いてからまた現場に復帰する保育士さんもいます。
その場合の強みは、多くのやり方(保育術?)を知っていることです。日本全国保育園は山ほどありますが、どこも独自のやり方や特徴があったりします。
複数の保育園を経験していると、いろんな保育の仕方が学べるので、より良いやり方に辿り着きやすいです。
せっかくなので、他の園での保育術を知っているのであれば、それを強みとして活かしてみましょう。
注意しなければいけないのは、自分が知ってる前の園のやり方に「こだわり過ぎる」ことです。これは本当に人間関係トラブルの原因になります。
いくら便利な方法やより良い保育方法であっても、復帰した先の園にはそれまで運営してきたやり方があります。
それを「こっちの方が絶対良いから!」と無理やり変えようとしても抵抗されるのは当たり前です。
上手く小出しにしながら、あなたの経験を活かしていけるようにしましょう。
さいごに
保育現場への復帰を考えるあなたが、いま抱えている不安や強みをもう一度考えてみましょう。
一番の根っこになるのは「子どもと関わる仕事をしたい」「子どもを楽しませてあげたい」といった思いです。
そんな純粋な思いは、何歳の保育士さんでも経験年数に関わらず、大切にしておきたいものですね。
復帰する決心がついた人は、いざっ復帰先の職場探しです。より良い復帰先が見つかるよう(勝手に!)応援しています!