保育士として働き始めて「1年目」というのは、悩みも不安もたくさんありますよね。
学生から社会人となり、今まで「大丈夫だったこと」が「ダメなこと」になったり、今まで「普通で当たり前だった」ようなことが「非常識」なことへと変わる、戸惑いも大きいんじゃないでしょうか。
そんな日々の中で、理由はいろいろあれど「私、もう転職した方がいいんじゃないのかな?」なんて気持ちが、頭をよぎることもあるでしょう。
今回の内容は、保育士1年目でもう転職を考えてしまっている人は特に、ぜひ一度参考にしてみてくださいね。
もくじ
新卒保育士1年目での転職に対する一般的な評価

これはどんな仕事でも同じことだと思いますが、一般的に新卒で就職した職場を1年以内に転職するのは、あまり良いイメージは持たれませんよね。
転職希望先の面接官も、「なんでこの人は1年経たず(もしくは1年で)辞めてしまったのだろう?」と必ず疑問に思います。
実際の理由がなんであれ、保育士1年目で転職するというのは、社会的評価で言えば、あまりよくないということを知っておきましょう。
保育士1年目で転職したくなる理由

では、新人保育士が1年目で転職を考える理由には、一体どんなものがあるのでしょうか?
1:先輩保育士のように仕事がうまくいかない
新人保育士の技術や、経験が少ないことが原因による悩み。
先輩保育士のようにスムーズに仕事ができない時や、保護者や子どもと上手く関われなかった時には、落ち込んでしまうものです。
「こんなことしかできない自分なんて必要ないのかな、保育士に向いてないのかな」と自暴自棄になったりもしますが、これはあなたの経験不足が原因。
どこかの保育園に転職したら、いきなり仕事ができるようになるというものではありません。
この理由に関しては、コツコツと失敗と反省を重ねて、保育士としての経験・スキルを上げていく必要があります。
2:保育園内の人間関係が悪い
しかし、いくらコツコツと経験を積み上げるといっても、その環境はとても大切です。
園長や主任が怖くて全然相談できない場合や、職員室にものすごく入りにくい、職員同士がギスギスしているなど、、、。
保育園内の雰囲気が悪いと、些細な失敗を必要以上に責められたりして、落ち込んでしまうこともあります。
新人保育士さんができないことが多いのは当たり前、知らないことがあったり、良かれと思って間違ったことをしてしまうのも当然です。
ちょっとしたミスに対して、寛容に受け止めてもらえない職場環境であれば、他園への転職を考えてしまうのも仕方ないかもしれません。
3:先輩保育士が厳しい
「早くやってよ!」「そんなこともできないの?」「勝手に進めないで!」、、、など。
保育園には、保護者には良い顔するのに、子どもや後輩に対して毎日のように厳しい言葉をかけてくる先輩がいたりします。
そんな先輩保育士と同じクラスを担当することになってしまったら、その1年間は毎日出勤するのが嫌になってしまうもの。
何をするにも、「先輩の機嫌」を気にしなければいけなくなり、言いたいこともやりたいことも、できなくなってしまいます。
保育士というのは、良くも悪くも1年目に働いた保育園の先輩や上司の影響を大きく受けます。
知らず知らずのうちに、あなたの保育観として根付きやすいのです。
あなたの成長を願って、厳しく接してくれているならとても良い先輩だと思いますが、厳しい言葉の中に「思いやり」や「愛情」が感じられないと、当然なかなか尊敬できないですよね。
子どもや後輩に愛のない厳しい言葉しかかけられない園長・主任・先輩を見たら「この人は自分のことで精一杯なんだ。余裕がない人なんだな」と密かに思って、反面教師にすると良いかもしれません。
4:残業が多い
「保育士の大変なことといえば?」と聞かれたら、必ずランクインする理由の1つが「残業・持ち帰り仕事が多い点」ですよね。
新人の保育士さんでも実感あることだと思います。
書類の多さや行事の準備の大変さに追われて、保育園に遅くまで残ったり、家に持ち帰ってテレビを見ながら画用紙をチョキチョキしたり。
仕事量の多さは、他の職業に負けず劣らずですね。
しかし、以前は保育士業界で当たり前だった残業や持ち帰り仕事も、現在は過労死や長時間労働問題が世間で話題になっています。
こうしたことから、行事や書類を減らして保育士の負担を軽くしたり、勤務時間内に書類や製作準備の時間を作ったりと対応している保育園も多くなってきています。
5:他の保育園を知りたい
保育士として働き始めて半年もすれば、1日の流れや園の雰囲気にも慣れてきて少し余裕が出てきます。
そうすると保育園の問題点や不満な点も同時に見えるようになってくるもの。
「他の園はどんな感じなんだろう」「もっと自分に合った保育園があるかもしれない」といった期待や好奇心が出てくるのもこの頃です。
しかし、その理由だけで、保育士1年目のうちに辞めてしまっては、後々大変になると思われます。
どうしても今の保育園に耐えられないことがあるなら別ですが、そこまでじゃなければ、少なくとも2〜3年は同じ園で保育士としての経験を積んだ方が良いと思います。
保育園は園ごとに違いや特色がありますが、基本的な1日の流れや年間行事、子どもとの接し方・クラス運営などは基礎は同じです。
まずは1つの園で「どこに転職してもやっていける実力」を身につけることを優先しましょう。
もし保育士1年目で転職するならコレに気をつけて

ここまで見てきたように、1年目の保育士さんが転職したいと感じる理由には様々あります。
保育士1年目で転職すること(特に年度途中で)は悪いことではないですが、ある程度覚悟が必要になることは確かです。
それでも保育士1年目で転職を考えている人は、気をつけた方がいい点を以下にまとめたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 世間的な評価はあまり良くないと自覚する
- 転職前に「転職したい理由」を明確にする(紙に書き出すと良い)
- 自分の経験不足や実力不足が理由ならまだ転職しない方がいい
- 給料の低さや人間関係の悪さが理由なら転職することで改善する可能性が高い
- もし辞めるとしても年度末までは勤め上げる
- 転職先に求める待遇(給料など)や保育観をはっきりさせておく
さいごに
社会人1年目、保育士1年目というのは悩みや不安が多く、やりたいこともなかなかやらせてもらえず、もどかしさも多く感じるものです。
社会人であれば誰もが通る道なので、周りに相談できる人がいれば、いろいろ聞いてみるといいでしょう。
ご存知の通り、現在は全国的に保育士不足です。
保育士さんにとって転職先を探すのは、比較的簡単になっていますが、焦らず保育士の転職求人サイトを活用するなど、ある程度時間をかけて求人情報を集め転職先を決めることをオススメします。